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    働き方見直しへ給特法廃止を/日教組が臨時大会/長時間労働の是正訴える

     日本教職員組合は3月23日、都内で臨時大会を開いた。討論では教員の長時間労働問題に意見が集中するとともに、非正規教員の処遇改善や、教育行政をめぐる問題にも及んだ。新委員長には岡島真砂樹副委員長を選出。清水秀行書記長が再任された。

     冒頭のあいさつで泉雄一郎委員長は、「学校における働き方改革」をより実効性あるものにすべきと強調した。公立学校の教員に残業代や休日手当を払わず、月額4%の調整給を支給する給特法の廃止を目指すことを改めて明言。「学校は裁量労働制のような制度を長年続けてきた。罰則付き時間外労働の上限規制の導入が必要」と踏み込んだ。

     9条に自衛隊を明記する自民党の改憲案を批判し、平和フォーラムへの結集や三千万署名の取り組み強化を呼び掛けた。

     長時間労働問題については教員の働き方のシンポジウムを行うなど、保護者や市民との社会的対話による世論喚起の取り組みが各地方から報告された。給特法同様、教員の業務負担増の一因となった全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)の廃止に取り組むべきという意見も複数の地方から上がった。

     改正地方公務員法と地方自治法が施行される「2020年問題」について、神奈川高教組は、更新の際に設けられることの多い空白期間(クーリング)の解消を2018年度から前倒しで実施することになったと報告。空白期間分の給与や共済掛け金負担が発生するため、1年目6億円、2年目23億円の予算増が見込まれている。代議員は「非常勤にとって大きな改善になるが、県の財政状況は厳しい。財政問題も含めて日教組としての今後の見通しが必要」と述べた。

     大阪市教職員組合では橋下市長時代に施行された条例で組合活動の便宜供与が禁止され、職場で分会会議が開けない状態が続いているという。大阪地裁では昨年12月に敗訴。代議員は「職場での分会会議禁止は理不尽。組合活動の根幹であり、憲法で保障された団結権を侵害するものだ。維新の会は組合の弱体化、攻撃を行ってきた。引き続き大阪高裁で闘っていく」と決意を表明した。

     学校の働き方改革と憲法改正反対の二つの特別決議を採択した。決議では、前文科事務次官の前川喜平氏による名古屋市立中学校での授業を文科省が調査したことについて、教育への不当な支配介入と抗議。戦前の軍国主義的教育の反省から、国による教育への関与を制限した教育基本法の否定につながると懸念を表明している。

     

    ●参院選で水岡氏を擁立

     

     来夏の参議院選の比例代表に水岡俊一・元参院議員の擁立を決定した。水岡氏は立憲民主党に公認を申請する予定。