「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    〈メーデー〉本物の8時間労働制実現を/高プロ制許せば過労死の恐れ

     8時間は労働のために/他の8時間は睡眠と休息のために/残り8時間は自分のために

     約130年前、8時間労働制を求めて立ち上がった米国労働者たちの合言葉です。現代の日本には労働基準法があり「1日8時間を超えて労働させてはならない」と規定されているものの、実際はどうでしょうか。過労死するほどの長時間労働が少なくないのが現実でしょう。

     

    ●規制外しは企業のため

     

     そんな中で長時間労働を助長すると懸念される法案が提出されます。政府の働き方改革関連法案です。一定の条件を満たす労働者を対象に、8時間労働制などのルールを適用除外する高度プロフェッショナル制度(高プロ制)の創設が盛り込まれています。

     労働者をどれだけ働かせても残業代なし、労働時間管理も不要という、企業側にとって「お得」な仕組みです。「世界で一番企業が活躍しやすい国」づくりをめざす安倍政権の目玉政策であり、成立すれば働く者と家族にとっては百害あって一利なしの事態がやってきます。

     

    ●まともな社会と政治へ

     

     自分と家族の時間を削って死ぬほど働くのが豊かな社会なのか。1日8時間働けば、まっとうな暮らしができる社会こそ必要ではないのか――メーデーの機会に、仲間とそんなことを語り合いたいものです。

     私たちが望むのは、大企業と「首相のお友だち」本位の政治ではなく、9条改憲で戦争に近づく国でもありません。

     働く者の祭典メーデー。全国各地でさまざまな要求と願いを持ち寄り、職場や地域の仲間とともに大きな声を上げましょう。