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    高プロ制導入阻止を/日本労働弁護団が院内集会

     日本労働弁護団は4月27日、働き方改革関連法案に盛り込まれた高度プロフェッショナル制度(高プロ制)の導入に反対する院内集会を開いた。過労死遺族や、民進、立憲、希望、共産、社民の野党議員らが制度の危険性を訴え、「人の命を奪う法律を強行成立させてはならない」と強調した。

     日本労働弁護団の棗一郎幹事長は「スーパー裁量労働制ともいわれる高プロ制は、形を変えたホワイトカラーエグゼンプションにほかならない」と指摘。「労働基準法の規制を全く受けない労働者を作り出し、昼も夜もなく休みなく働けという制度。対象労働者には何の権限も裁量もなく、業務命令に従わなければならない。年収要件が高いといってもそんな労働者を作り出していいのか」と批判し、廃案を求めた。

     連合の内田厚副事務局長は「働き方改革法案の審議が野党欠席のまま強行的に始められたのは遺憾。過労死や過労自死を防ぐための野党法案には連合も関わった。ぜひ国会で審議し修正されるよう求めたい」と述べた。 

     全日本建設運輸連帯労働組合の小谷野毅書記長は「働き方改革の審議入りに際し、怒髪天を突く怒りでいっぱい。トラック労働者は過労死ナンバーワンの職種。高プロ制は現状のトラック労働者のような働き方を広げることだ」と強調した。

     

    〈写真〉過労死遺族の中原のり子さんは「政府は財界の方ばかり見ていないで、国民の意見を尊重すべき。法案の審議入りは許されない」と訴えた(4月27日、国会内で)