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    介護現場から「♯Me Too」続々/日本介護クラフトユニオン/組合員に深刻なセクハラ被害

     UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(約7万800人)はこのほど、介護サービス利用者や、その家族からのセクハラ被害を訴えるアンケート結果(中間報告)を発表した。自由記述欄にはセクハラ被害を訴える、介護現場からの告発「♯Me Too」が続々と寄せられている。

     アンケートは利用者、家族からのハラスメント(嫌がらせ)全般について聞いた。4月10日、全組合員を対象に調査票を送ったところ、20日までに1054件を回収。セクハラ被害の報告が短期間で多数寄せられたことから、急きょ中間報告を行ったという。

     自由記述欄には「キスをされた」「体を何度も触られた」「性的な相手をするよう要求される」などの具体的な被害の訴えが延々と続く。利用者だけでなく家族からの被害も。中には刑事事件として扱われるべきものもある(表)。

     「加害者」には認知症患者も一定数含まれる。染川朗事務局長は「(セクハラ被害の)原因の1~3位は認知症や精神疾患によるものではない。認知症の方の言動にはストレスを感じないが、しっかりした人や家族からの暴言、暴力は許せない」と話す(グラフ)。

     アンケートで、セクハラを受けたことがあると答えた人は、女性が32%で、男性は12%。内容は「サービス提供上、不必要に個人的な接触を図る」が51%で最も多く、次に「性的冗談を繰り返したり、しつこく言う」が47%、「性的な関係を要求する」も10%ある(複数回答)。このうち、52%が「強いストレスを感じた」と答え、4%が精神疾患の罹患を訴えた。

     「誰かに相談した」は79%。相談先の半数が上司だが、相談後も「変わらない」は全体の47%にも上る。「相談しなかった」と答えた19%のうち「相談しても解決しないと思った」が44%で最も多かった。

     解決を阻んでいるのが、「介護職はがまんするのが当然という風潮」(自由記述)だ。調査を担当した村上久美子副事務局長は「事業者がしっかり守ってほしい。黙ってがまんするしかないということはあってはならない」と話す。人材流出防止にも関わる問題。6月以降、調査結果を分析し改善策を検討する。


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    コメント: 1
    • #1

      坂本貴子 (水曜日, 19 8月 2020 07:31)

      子供が老健勤務です。この春精神疾患3級を取得。本人の口から仕事先に話すような雰囲気でもなく家族が仕事先に話したため管理者から怒られたとの訴えあり。陰口パワハラが横行している模様。