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    首相が再び改憲メッセージ/5月3日の改憲派集会/公明党などからは疑問の声も

     「憲法に、我が国の独立と平和を守る自衛隊をしっかりと明記し、違憲論争に終止符を打たなければならない」――民間憲法臨調(櫻井よしこ代表)などが5月3日に開いた改憲集会に安倍晋三首相がビデオメッセージを寄せ、あらためて「憲法改正」を訴えた。

     自民党総裁として送った同集会へのメッセージは昨年に続き2回目。昨年同様に「自衛隊違憲論の原因は、憲法に防衛規定が存在しないことにある。(自衛隊の)明文化により、正当性が明確化されることは、わが国の安全の根幹にかかわる」と主張した。

     集会では、各界の改憲派代表から「改憲の最大の障害は左翼メディアの影響を受けた国民意識」「憲法は不磨の大典ではない」といった発言が相次ぎ、櫻井氏は「国を守るのは軍事力。一日も早く改憲を」と呼び掛けた。

     一方、政党代表からは慎重な意見も。公明党憲法調査会事務局長の遠山清彦衆院議員は、自衛隊を明記する自民改憲案について「必要性、緊急性の点で国民の理解が得られるのか。国民投票で否決のリスクがあり、安全保障に与える影響が大きい」と主張した。

     日本維新の会の浅田均政調会長は「改憲には国民と政治との間の信頼関係が大事。スキャンダルなどで政府が国民の信頼を得ているのか疑問。信頼回復が必要だ」と述べ、森友・加計問題などを脇に置き、改憲で正面突破を図ろうとする手法に苦言を呈した。