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    「黙っていろというどう喝だ」/上西充子法政大教授/裁量制問題で自民議員に抗議

     厚生労働省が作成した裁量労働制に関する不適切データについて「うっかりミスではなく、意図的に作成されたとしか考えられず、その意味でねつ造だ」と指摘してきた上西充子法政大学教授に対し、自民党の橋本岳議員がフェイスブックに「後付けで噴飯ものもいいところ」などと投稿し、問題になっている。「噴飯もの」部分は後日撤回されたが、上西教授は5月11日に会見を開き、「(投稿の内容は)国会議員による研究者へのどう喝ではないか」と抗議した。

     橋本議員は「ねつ造と指摘するなら、誰がそれを指示したかを証拠として示すべきだ」という趣旨の主張を行っている。

     これに対し上西教授は「大臣や総理の直接の指示がなくても官僚の忖度(そんたく)はありうる。忖度を含めて意図的に作ったデータを(私は)『ねつ造』と表現している」と反論。データ自体ではなく、誰が指示したかが問題のように論点をすり替えていると同議員を批判し、「『証拠を出せないならねつ造と言うな』という圧力だと感じる。黙っていたら物が言えなくなる」と述べた。

     

    ●学問の自由の侵害

     

     日本労働弁護団の嶋崎量弁護士は会見で「一議員の個人的見解ということにはならない。働き方関連法案審議の最中に、与党の厚生労働部会長でもある橋本議員が、時の権力に都合の悪い発言をしている研究者に公に圧力を加えのは、学問の自由に対する深刻な侵害だ」と批判した。