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    「世論に訴え、さらに大きく」/連合院内集会/高プロ反対、野党案反映求める

     働き方改革法案の強行採決が迫る中、連合は5月22日、「働く者のための働き方改革」を訴える緊急院内集会を開いた。一定年収以上の一部専門職を対象に労働時間規制を全て外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ制)」創設について、神津里季生会長は「こんなものは要らない」と反対する姿勢を表明。立憲民主、国民民主の対案を反映させるよう「世論に訴え、さらに大きなものにしていこう」と呼びかけた。

     集会では、早期成立を求める意見と、拙速を戒める意見が出され、異なる種類の法律が一括りとされたことへの苦悩もにじんだ。

     UAゼンセンの永井幸子短時間組合員総合局長は、主に手当や福利厚生で不合理な処遇差を禁じる法案について「最低限のセーフティーネット。早くこの法案を私たちの望む形で通してほしい。早く法律となり、われわれ労使で決めていかなければならない」と発言。一方、運輸労連の難波淳介委員長は、罰則付き残業上限規制が、最も過労死の多い自動車運転業務に施行後5年間適用されず、その後も年間960時間以内という緩い規制だと批判し、「拙速な結論に終わらせるな」と訴えた。

     連合は残業上限規制と、「同一労働同一賃金」関連の法案は成立させるべきという立場。神津会長は集会後の会見で、「国会で丁寧に深掘りした審議をすれば、高プロ制の問題性は明らかになってくるはずだ」と述べ、強行採決の動きに苦言を呈した。

     

    〈写真〉神津里季生連合会長は「日本は過労死で2日に1人以上亡くなっている。まずはこれをゼロにすべき」と高プロ反対を訴えた(5月22日、国会内)