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    「高プロ制などもってのほか」/神奈川過労死家族の会/1周年記念シンポで訴え

     神奈川過労死等を考える家族の会は5月25日、発足1周年の記念シンポジウムを横浜市内で開いた。若年労働者が過労事故死したグリーンディスプレイ事件について報告。この日、働き方改革関連法案の衆院厚労委員会での強行採決が報告され、遺族らは高プロ制反対を強く訴え続けた。

     

    ●インターバル規制を

     

     商業施設の装飾会社、グリーンディスプレイに勤めていた渡辺航太さん(当時24歳)は、長時間深夜労働と不規則勤務の末、2014年4月、帰宅途中にバイク事故で亡くなった。横浜地裁川崎支部で2018年2月、会社側の謝罪を含めて和解した。

     担当した川岸卓哉弁護士は、深夜不規則労働が負荷となり、16時間以上の勤務が飲酒と同程度の判断力低下を引き起こすという医学的知見を紹介。「睡眠不足状態での運転は危険。(年単位など)労働時間の総時間規制ではなく、(一日単位の)勤務間インターバル規制(休息時間保障)が重要だ。高度プロフェッショナル制度などもってのほか」と強調した。

     航太さんの母、渡辺淳子さんは、週休1日と併せて11時間の勤務間インターバルを導入すれば、時間外労働は月78時間になり、過労死ラインの月80時間を下回ると述べた。「(政府の)働き方改革とは逆の主張。人間は自身で思うほど強くはなく、限界がある。限界を試すような働き方で生産性を上げる考え方は間違っている」と訴えた。

     

    ●教員は高プロ制先取り

     

     神奈川過労死等を考える家族の会代表の工藤祥子さんは、働き方改革関連法案の強行採決について次のようにコメントした。

     「残念。亡くなった教員の夫は高プロ制を先取りする働き方でした。長時間労働の規制には、高プロ制の健康時間管理のような緩い規制ではなく、勤務間インターバルのようなルールが必要です。高プロ制では年収要件の引き下げも考えられます。いずれ『高度プロフェッショナル』の名にかなった働き方ではなくなるのではないでしょうか。

     長時間労働で追い詰められ、亡くなる人がいます。労働組合はいつもオープンで一番身近な相談相手になってほしい」