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    「本人と家族の申請認めず」16%/非正規職員の公務災害補償/NPOが主要自治体を調査

     非正規公務員の調査研究に取り組むNPO法人官製ワーキングプア研究会が7月11日、「臨時・非常勤職員等の安全衛生制度に関する調査」の中間報告を発表した。民間と同様の労災補償制度が適用されない非現業職の臨時・非常勤職員について、本人や遺族が公務災害補償を申請できるかどうかを尋ねたところ、16%の自治体が「できない」と答えた。同研究会は条例や施行規則をチェックし、こうした不備を是正するよう求めている。

     調査は、都道府県と政令市、中核市、県庁所在市、東京都内の区・市の165自治体を対象として4月に実施。回答のあった94自治体分をまとめた。

     臨時・非常勤職員の災害補償については、地方公務員災害補償法69条に基づき、自治体が条例で定めることになっている。しかし、旧自治省(現総務省)が1960年代に示した条例の「ひな型」には、本人や家族が公務災害認定を請求する権利が規定されていない。使用者である自治体が職権で災害を見つけて補償する「職権探知主義」という考え方が取られているためだ。

     中間報告によると、条例で本人や家族の請求権を認めているのは東京都と京都府の二つだけ。「施行規則で請求可能」が37自治体、「条例ではできないが運用で可能」が37自治体あり、約8割で請求できることが分かった。一方、約15自治体(約16%)は「条例により請求できない」と答えている。

     大阪府内の調査にあたった自治労連元副委員長の川西玲子さん(NPO法人「働き方ASUーNET」副代表)は学童保育の非常勤職員として24年間働いた経験を持つ。「非常勤は更新(されるかどうか)が不安で、労災やハラスメントがあっても泣き寝入りしてしまう。私たちを一人前の人間として扱ってほしい」と語った。