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    セクハラ根絶を呼びかけ/新聞労連大会で小林基秀委員長/「人権侵害は放置できない」

     新聞労連は7月24、25の両日、都内で大会を開き、小林基秀委員長がセクシャルハラスメント根絶を強く訴えた。小林委員長は退任し、朝日新聞労組から新委員長が選出される予定。今大会後に同労組による人選と手続きが終了する見通しだという。

     小林委員長のあいさつの要旨は次の通り。

     

    ●記者の存在を全否定

     

     まずセクハラ問題に触れたい。テレビ朝日記者の録音によると、彼女は財務次官に対して一生懸命に森友問題について聞き出そうとしているが、それに対して次官はひたすらひわいな言動をぶつけていた。

     記者を単なる若い女性、性欲のはけ口の対象としか見ていない。記者、職業人としての存在を否定されたも同然だ。こんなことを見過ごすことはできない。

     通常、委員長あいさつの中身としてはジャーナリズムや人権、平和の課題を語るべきだが、足元でセクハラによる人権侵害を黙認しているようでは、発言は説得力を持たない。労働条件の向上を言うなら、セクハラをなくすことこそが一番の労働条件改善だろう。

     皆さんも、女性記者に対して「(セクハラ行為を)うまくいなして情報を取ってこい」などと言ったことはないだろうか。それは人権侵害を我慢しろと言っているのと同じだ。

     

    ●山陽新聞労組の支援を

     

     山陽新聞社は、印刷部門で働く2人の組合役員に対し、別会社化した印刷工場への出向を拒否し、編集部門に不当配転した。その理由がどうしても許せない。

     30年前から別会社化に反対してきた組合方針の存在に加え、2人を新工場に出向させれば職場の士気や業績低下につながる恐れを挙げている。人事差別であり、労組への弾圧だ。労働組合の言論の自由に対する攻撃でもある。それを言論機関が行っているのだ。

     彼らの会社人生をこんな形で終わらせてはならない。私は退任するが、(新聞労連として)2人の名誉回復を図ってほしい。

     

    ●組織の結束こそ大切

     

     大会には、連合、全労連、全労協の代表が駆けつけてくれている。それは、われわれが新聞産業の8割を組織している存在だからだ。(傘下には)さまざまな意見があるが、組織的にまとまりを欠けば力をなくす。結束することが大切だ。

     

    〈写真〉あいさつする小林委員長(7月24日、都内で)