「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    「核の傘」からの脱却訴え/被爆73周年原水禁大会・広島/禁止条約や脱原発を議論

     「くり返すな核被害! めざそう核兵器廃絶と脱原発社会!」をメインスローガンに掲げた被爆73周年原水爆禁止世界大会・広島大会が8月4日から6日まで開かれた。主催は、原水爆禁止日本国民会議などの実行委員会。閉会総会では「原発事故被害者の切り捨ては許さない」「核兵器禁止条約を批准し、早期発効を!」などのヒロシマ・アピールを採択した。

     約2200人が参加した4日の開会総会で主催者あいさつした佐古正明・大会副実行委員長は、核兵器禁止条約を拒む日本政府について「米国の核の傘で平和が守られると主張しているが、核の脅しや威嚇で真の平和が成り立つのか」と批判。脱原発の課題をめぐっては「住民の反対を押し切り、再稼働が強行されている。安全神話は崩壊しており、エネルギー政策の転換が必要」と呼びかけた。

     桑原千代子さん(86)が被爆者代表として登壇。焼け焦げた市内を逃げまどった体験を語り「何十万人もの犠牲の上に成り立った平和を大事にしてほしい」と訴えた。

     海外代表として参加した米国のグレゴリー・カラキー氏(憂慮する科学者同盟)は、日本を含む同盟国が核の先制使用政策を支持していることを指摘。「核爆弾の熱線や放射能から守ってくれる傘などは実際には存在しない」と核兵器に頼った安全保障政策を強く批判した。

     

    〈写真〉被爆体験を語る桑原さん(8月4日、広島市内)