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    医師の不当解雇事件が解決/鹿児島の勤務医/ほぼ請求通りの金銭和解

     鹿児島県にある猪鹿会パールランド病院に勤務する医師が、36協定締結のための労働者代表に選出された後に解雇された事件が、8月に和解した。関係者によると、ほぼ請求通りの金銭を支払い、原告は退職した。原告が加盟する全国医師ユニオンは9月1日、今回の和解成立について「原告の主張を病院側が一定受け入れた。少なくない医師の不当解雇の実情を社会に訴えたことは意義がある」とコメントした。

     原告の飯島京太医師は昨年3月、36協定締結のための労働者代表に立候補し、当選。協定にも調印したが、5月になって突然、病院の懲罰委員会の召喚状が送られてきた。複数の就業規則違反があるという内容だった。飯島氏は弁明書を提出して指摘された事項に一つ一つ反論したものの、その後に解雇された。

     解雇撤回を求めた裁判で病院側は60項目以上の解雇理由を追加していた。

     この病院の医師定員は10人。飯島氏の解雇に前後して4人が退職したため、病床数を制限せざるを得ない状態になっていたという。

     

    ●少なくない不当解雇

     

     今回の和解成立について、全国医師ユニオンの植山直人代表は、次のようにコメントした。

     「本件は一勤務医の不当解雇にとどまらない問題を持っていた。過半数代表者が使用者から簡単に解雇されるようでは、労働者側を代表する対等な交渉者とはなり得ず、使用者側の圧力に屈することになりかねない。36協定の存在意義自体が失われてしまうことになるだろう。裁判は、少なくない医師の不当解雇の実情を社会に訴え、再発防止に貢献するものと考える」