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    賃金格差の情報公開義務化を/女性活躍推進法の見直し論議/雇用環境・均等分科会で労働側

     労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の雇用環境・均等分科会が10月12日に開かれ、女性活躍推進法の見直しについて話し合った。具体的には(1)推進法の行動計画を全ての企業に義務付けるか(2)行動計画を定める上での基礎項目に男女の賃金格差の状況把握を加えるか(3)行動計画の進捗(しんちょく)状況について情報公開を義務付けるかどうか――などがテーマ。労働側は情報公開の義務付けを求めた。

     労働側委員の井上久美枝連合総合男女・雇用平等局長は「日本のジェンダーギャップ指数はほぼ毎年、最低を更新している。女性の管理職割合や男女間の賃金格差は男女雇用機会均等法ができてから30年経っても変わっていない」と指摘。「政府は2020年までに女性の管理職割合を30%にすると言ってきた。今回の見直しはその目標に近づける最後のチャンス」と発言した。

     使用者側委員は「賃金格差などの情報公開を義務化する合理的な理由が見当たらない。中小企業の負担が増えるばかり」「女性の活躍には一律に規制を強化するのではなく、自主的なポジティブアクションや誘導的な施策を行うべき」と述べた。

     労働側委員の山中しのぶ電機連合中央執行委員は「連合が女性活躍推進法の行動計画を策定する際に現状を洗い出したところ、多くの論点が出てきた。さまざまな観点から実効性のあるポジティブアクション(女性の積極登用制度)にした方がいいのでは」と、行動計画の義務付けを求めた。