「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    映画/「ワーカーズ 被災地に起つ」/協同労働の持つ可能性描く

     協同労働を扱った映画「ワーカーズ 被災地に起(た)つ」が10月20日、東京都内の映画館で公開された。製作したのは、協同労働事業を展開する日本労働者協同組合連合だ。

     

    ●震災後の「困った」を包括支援

     

     働く者が自ら出資し、経営も担う「ワーカーズ」は、こうした協同労働の事業体で働く人のこと。映画は東日本大震災後の宮城や岩手を舞台に、被災者でもあるワーカーズが、故郷再生のために奮闘する姿を描く。

     公開2日目の21日、森康行監督とのトークショーを行った保坂展人世田谷区長は、映画に登場する岩手県大槌町の地域共生ホーム「ねまれや」を高く評価。住民の要望を受け、学童保育の事業を開始した同施設は、さまざな住民が集う場となっている。「子どもや高齢者、障害者を(別々の施設に)分けず預かるのは、協同労働の場以外でも意味を持つ」とコメントした。

     宮城県登米市では、「元引きこもり」の若者が廃れつつあった地場産業の林業の担い手になった。森監督は「疎外感を持っていた若者が(労働を通じて)自信を取り戻した」と、撮影時の様子を語った。

     保坂区長も「彼は地域の人と協力して、炭焼き小屋を復活させたりしている。縦割り行政では、そこまではできない」と述べ、ワーカーズの新たな役割や可能性にも言及した。