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    ハラスメント対策大詰めに/労政審分科会の議論/法制化の是非で意見対立

     ハラスメント対策などを議論する労働政策審議会の雇用環境・均等分科会が11月6日に開かれた。厚生労働省は、企業に防止措置を義務付ける法制化と、ガイドラインにとどめる両案を提案した。

     

    ●使用者側は消極的

     

     これまでの分科会では法制化に踏み込むべきという労働側と、ガイドラインにとどめるべきという使用者側の応酬が続いてきた。

     この日も使用者側委員は「業務上の指導が難しいのでハラスメント対策はガイドラインの作成にとどめるべき」「ハラスメント全体ではなく、職場のパワハラ対策だけを対象とすべき」と、従来からの意見を繰り返し、法制化に反対した。

     労働側委員の山中しのぶ電機連合中央執行委員は「セクハラ防止措置から20年余り経っているが、セクハラは減っていない。ハラスメント行為の禁止規定を設けるなど一歩踏み込んだ議論が必要」と述べた。

     

    ●法制化賛成の公益委員も

     

     労働側委員の井上久美枝連合総合男女・雇用平等局長は「ハラスメント対策として企業の周知啓発だけでは限界がある。世論の関心も高まるなか(法制化に向け)少しでも前進させる必要がある」と強調した。公益委員の一人も「法制化は当然」と述べた。

     厚労省は次回の分科会で労使の意見を反映した報告書骨子案を示し、年内に報告書をまとめると説明した。