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    パワハラ禁止の法律制定を/労働弁護団が署名1万筆提出

     日本労働弁護団は11月26日、職場のハラスメント防止法の整備を求める署名約1万筆を厚生労働省に提出し、労働政策審議会での積極的な検討を要請した。国際的なセクシャルハラスメント反対運動の流れを汲むグループ「#WeToo Japan」も、職場に限らず幅広くハラスメントを禁止する趣旨の署名を合同で提出した。

     厚労省が11月19日に示したパワハラ対策案は、企業に防止の措置義務を定めただけ。第三者からのハラスメントについては、指針で示すにとどまっている。

     日本労働弁護団は、パワハラの禁止行為を定めた上で、企業の措置義務を明記した法律の制定を求める署名活動を10月中旬からネット上で呼びかけている。国際労働機関(ILO)が来年の総会で「仕事の世界における暴力とハラスメント」を禁止する条約の採択を目指すなど、国際的にも機運が高まる一方、労政審では使用者側委員が法整備を頑なに拒んでいる。

     同弁護団の新村響子事務局次長は「措置義務だけでは『やってはいけない』という認識が生まれにくい。禁止行為を明確にすることで、被害者救済も進む」と指摘し、法整備の必要性を強調した。

     顧客や利用者からの暴力被害について、公共交通機関の職員らが実態を訴えた。棗一郎幹事長は第三者からのハラスメントについて「労働契約法第5条で使用者には労働者への安全配慮義務が課されている。使用者が労働者を守るのは当然だ」と述べた。

     

    〈写真〉署名サイト画像を示す新村事務局次長(右)と#We Too Japan署名呼びかけ人の土居香苗氏