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    「東芝は親会社の責任を果たせ」/インド人エンジニアが訴え/コミュニティ・ユニオンの行動

     「これは東芝のスキャンダルだ」

     朝の通勤時間帯、インド人のシン・ウダイ・プラッタさんは、東芝本社に向かって英語で叫んだ。コミュニティ・ユニオン首都圏ネットワークが10月24日、東芝本社前など7カ所で繰り広げた1日行動の一環だ。

     エンジニアのウダイさんは、アジアのIT技術者派遣を専門にする派遣会社サンウェルと2017年1月に雇用契約を締結。東芝の完全子会社、東芝プラントシステムに同年3月から派遣された。有給休暇を使ってインドに帰省すると、「次に休んだらクビだ」など派遣先の上司から激しい叱責(しっせき)や、トイレに行くことまで監視される嫌がらせを受けた。

     「仕事が良くない」という理由で、派遣先への出社を拒否され、「排除」通告を受けたため、7月に神奈川シティユニオンに加入した。派遣先は団体交渉を拒否したものの、「関係者」として派遣元との団体交渉に同席し、ウダイさんの主張を否定した。組合は不誠実交渉について労働委員会に不当労働行為を申し立てる予定だ。

     ウダイさんは9月、同じ派遣元から派遣されている同僚(インド人)とその仲間から路上で暴行を受け、頸椎(けいつい)捻挫などの傷害を負った。別の同僚からは「組合に行くな」などとメールが送りつけられた。

     社前行動では繰り返し、英語で訴えた。「仲間とともにここに立っている。組合に加入してこの争議を闘う。上司は隠れずに出て来い。これは差別だ」

     

    〈写真〉拳を上げて力強く訴えるインド人エンジニアのウダイさん(10月24日、都内)