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    核兵器廃絶、政府に働きかけを/サーロー節子さん/「一緒に頑張ろう」と呼びかけ

     広島の被爆者で、現在はカナダに住むサーロー節子さんが12月6日、都内で記者会見し、核兵器禁止条約の発効を目指して「一人一人が日本政府に働きかけよう」と呼び掛けた。

     サーローさんは、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)とともに昨年7月の国連での同条約採択に貢献。同年12月のICANへのノーベル平和賞授賞式では受賞講演を行った。

     今回は母校・広島女学院大学の招きで来日。自民党の岸田文雄政調会長や西村康稔内閣官房副長官らとも面会し、禁止条約への署名と批准に一歩を踏み出してほしいと要請した。

     記者会見でサーローさんは「何百万人もの人を皆殺しにする用意をすることが核抑止論。被爆者はそんな非人間的で、非人道的なことを絶対に受け入れることはできない」と述べた。

     「禁止条約は70年以上も費やしてやっと手に入れた(核兵器廃絶への)第一歩」と強調。条約発効のためには50カ国の署名・批准が必要とした上で「日本が50カ国の一つになるよう、いろいろな形で政府に働きかけよう」と訴えた。

     また広島県内での若い世代との交流を紹介。「(核兵器廃絶について)真剣に考えている。今回の来日で最も感動し、うれしかったこと。報いられたという気がした」と述べるとともに、最後に「学ぶだけでなく、学びを行動に移せ。一緒に頑張りましょうと伝えたい」と呼び掛けた。

     

    〈写真〉「核兵器廃絶へ一緒に頑張りましょう」と呼びかけるサーロー節子さん(12月6日、都内)