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    AIの影響と活用を検討/厚労省/労働政策基本部会が再開

     中長期的な労働政策を検討する、厚生労働省の労働政策審議会労働政策基本部会が12月25日、再開した。今後、人工知能(AI)など技術革新の雇用への影響やその活用、あるべき労働政策について検討する。

     同部会は2017年に設置され、18年夏に報告書をまとめている。今回はテーマをAIに絞った。

     検討事項には、業種や職種の現状、AIの活用で予想される影響、人材育成や中小企業支援、あるべき労働政策などを列挙。少子高齢化の進展や、日本の労働生産性が低いことを問題視し、今後のAI活用を考えるという。事務職や、人手不足が深刻な介護などの医療・福祉分野での活用を検討する。

     古賀伸明連合総研理事長(前連合会長)は「技術革新に振り回されるのではなく、人のために使うことが必要だ」との考え方を示しながら、能力開発と人材育成、今後増加が見込まれる請負労働など「あいまいな雇用」への保護策などが必要と主張した。発言を受け、部会長代理の森戸英幸慶応大学教授は「労働政策としての理念や原則があり得るのか、議論していくべき」と語った。

     一方、企業経営者の委員からは「まずは社会実験を行い、課題をくみ取ることが必要。人にできるタスク(作業)は何か。人間らしい仕事は残る」との発言もあった。

     

    〈写真〉昨夏報告書をまとめた一連の議論では、極端な労働規制緩和の主張が乱れ飛んだ労働政策基本部会。労働者保護を基本とした議論が期待される(12月25日)