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    差別とハラスメントが横行/非正規公務員の惨状/全労連公務部会が「酷書」発表

     全労連公務部会がこのほど、「非正規公務員酷書」を発表した。専門性や経験があり、正職員並みに働きながら「北海道なのに、寒冷地手当が支給されない」「パワハラがひどく職場は監獄のよう」など、差別とパワハラの横行を訴えている。

     酷書は、自治体や国家公務員の職場だけでなく、公共性の高い日本郵政や独立行政法人で働く非正規職員の実状にも光を当てた。全労連は「いま一度、公務職場のあり方と非正規職員の身分・待遇の改善について一緒に考えてみませんか」と呼びかけている。

     

    ●私たちはモノじゃない

     

     国の出先機関で働く、ある非常勤職員(事務職)は常勤職員と同じ週5日勤務。「病気休暇は無給、夏季休暇も結婚休暇もない。北海道だというのに、寒冷地手当が出ず、住居手当もなし。こんなに差があるのはおかしくないですか」と憤る。

     奨学金に関わる独立行政法人、日本学生支援機構の非常勤職員は何年働いても時給1170円のまま。待遇の悪さにベテランの非常勤職員が辞めていくのは機構にとっても損失だという。「私も定期代が払えず親に借金した。自分自身の奨学金が返せるかも不安」と訴える。その上、パワハラがひどいと指摘し「職場は監獄のよう。非常勤職員をモノとしか考えない上司がいる」と告発している。

     学校の現業職員のエピソードはこうだ。民間企業で働く正社員の友人たちと銀行へ行き、マイカーローンが借りられるかを尋ねてみた。「みんなは借りられたのに、私には『残念ですが…』という返事。採用形態が違うだけで金利の安いマイカーローンも組めないなんて理不尽だ」

     

    ●ベテランが辞めていく

     

     採用後4年半の契約更新の際、評価が悪ければ自動的に解雇される、日本郵政の「契約更新要件制度」。当局による、恣意(しい)的な評価を防ぐために労組による監視が必要という。

     臨時看護師として、任期6カ月で特別支援学校に配属された女性。妊娠し、不正出血で妊娠障害休暇を取ったところ、教育委員会は「次の更新はしない」と言ってきた。組合が主張して再任用されたものの、今度は任期を縮めて産前休暇に入る前に雇い止めに。マタニティーハラスメントが横行していると訴えた。

     国の出先機関で働く事務職の女性は「これまで経験したことのないようなセクハラを受け、『国の職場なのに』と衝撃受けた。連日トイレや自宅で泣き、食欲も落ち、身体も壊し、いつの間にか何度も自殺を考えていた。契約更新の際の面接者やセクハラ相談員が加害者だったケースも見聞きした。どこにも相談できない」。

     ハローワークでは3年ごとに公開公募が行われ、非常勤職員は一般求職者とともに「募集枠」での競争を強いられる。対象になった友人2人は採用されたものの、1人はメンタル不全になり、もう1人は自分が紹介した一般求職者が不採用になった責任を感じ、「3年後にまた同じ思いをするのは嫌」と退職してしまったという。「優秀な人に精神疾患を患わせ、放り出しているのはパワハラと同じ」と憤る。