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    全国一律の最賃制法制化を/自民党内に議連発足/デフレ脱却と地方の底上げへ

     自民党内に全国一律最低賃金制の法制化を推進する議員連盟が2月7日、発足した。デフレからの脱却、東京一極集中の是正、地方経済の底上げを掲げ、党内で賛同を募る。会長には衛藤征士郎元衆院副議長が就任。今後、制度について勉強会を進めるとともに、地方6団体や労使団体との話し合いを進める。

     名称は「最低賃金一元化推進議員連盟」。衛藤会長は「デフレの完全脱却、10月の消費増税を乗り切るためにも賃金の上昇が必要だ。東京一極集中の是正や、今後5年間で34万5千人受け入れる海外の人材が都市部に集中してしまうことを視野に、(最賃の)一元化を考えなければならない。英国、フランス、ドイツなど先進諸国はいずれも全国一律制だ」と発足の趣旨を語った。

     同日、発足集会が国会内で開かれ、ひな壇には山本幸三元地方創生担当相、稲田朋美元防衛相、務台俊介元内閣府政務官、下村博文元文部科学相、平沢勝栄自民党総務会長代理ら国会議員が顔を並べた。

     米金融大手出身で、日本経済の実情に詳しいデービッド・アトキンソン小西美術工芸社長が講演し、「地方の低い最賃が地方衰退のきっかけとなっている」「生産性を上げていこうとするならば全国一律制が必要だ」と持論を展開。山本元地方創生相が「東京一極集中が進んでいる。外国人技能実習生の失踪問題を含め、この問題は抵抗があってもしっかり考えないといけない。日本の最大の問題は賃金が低いことにある」と締めくくった。

     今後、同党内の議員に広く賛同を募る。二階俊博幹事長に顧問就任を求めるという。最賃法改正の議員立法を視野に、2週間に1度の割合で勉強会を開き、制度についての研究やヒアリングを行う。商工会や地方6団体、経団連、連合などに話し合いを呼びかけていく考えだ。

     

    ●前回大幅改正から12年

     

     日本の地域別最賃は47都道府県ごとに設定されている。最高額(東京・時給985円)と最低額(鹿児島・同761円)の格差は最大224円にも上り、年1800時間労働で換算すれば40万円もの所得格差が生じる。現行の制度では格差は年々拡大することが避けられない。地方から都市への人口流出の大きな要因とも指摘される。

     全国一律制実現には最賃法の改正が必要。同法は、「生活保護との整合性」を盛り込んだ2007年を最後に大きな改正はない。

     

    〈写真〉閣僚経験者ら自民党の“大物”が列席した全国一律最賃制推進議連。疲へいする地方の底上げの「起点」として法制化を訴える(2月7日、国会内)