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    新たな核軍拡競争を懸念/原水禁などのビキニデー集会

     被災65周年3・1ビキニ・デー全国集会が同日、静岡市で開かれ、250人が参加した。核廃絶や脱原発に背を向け、暴走する安倍政権を批判し「『核と人類は共存できない』という原水禁の理念を踏まえ、運動を一層強めよう」と訴えるアピールを採択した。

     集会は原水禁国民会議や東海ブロック原水禁連絡会議などが主催した。

     国民会議の川野浩一議長は、トランプ米大統領による「使いやすい核兵器の開発」やロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約破棄通告などの動きに触れ「新たな核軍拡競争が始まろうとしている。今私たちは核戦争か、核廃絶かの岐路に立っている」と指摘。核兵器禁止条約の署名に向けてがんばろうと呼びかけた。

     ジャーナリストの金平茂紀氏が記念講演した。ベトナムで行われた第2回米朝首脳会談が合意のないまま終了したことについて「朝鮮半島の非核化が遠のいたというのに、まるで喜んでいるような政府やマスコミの態度は一体何なのか。広島と長崎、ビキニ、福島を経験した日本として許されるのか」と憤った。

     毎年、国連に核兵器廃絶を求める署名を提出している高校生平和大使第21代代表の宮沢正咲さんは「長崎の研修では、人間らしく生きることも死ぬこともできなかったという被爆者の話を聞いた。その思いを忘れず伝えていきます」と誓った。

     

    〈写真〉核兵器廃絶を訴える高校生平和大使の2人(3月1日、静岡市)