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    ベア1538円で健闘中/4月2日時点のJAM回答状況/個別賃金では中小2603円

     中堅中小の金属労組でつくるJAMは4月2日、約半数にあたる704組合の回答集計を発表した。賃金構造維持分が分かる392組合の賃金改善(ベア)の平均は1538円で、昨年同期を119円下回るが、中小が健闘中だ。近年力を入れている個別賃金で回答を得た組合の平均は2千円を超えている。

     ベア平均は、300人未満、100人未満で昨年を約100円下回るが、それぞれ1593円、1727円と全体を押し上げている。安河内賢弘会長は「自動車、電機、半導体が急減速し、先行き不透明感から経営側の抵抗は強い。ただ、受注残は大量で忙しさは続いており、人手不足は深刻さを増している」と分析。今後は物価上昇分を確保することが課題だと強調した。

     一方、あるべき水準への引き上げを要求する個別賃金で回答を得た74組合では、30歳ポイントの改善額平均は2220円。300人未満の49組合は2603円にも上る(グラフ)。中井寛哉書記長は「(上げ幅だけを要求する)平均賃上げだと電機の千円相場に引っ張られてしまう」と個別賃金要求の優位性を指摘した。

     安河内会長は「中小企業の社長は隣の会社の賃金を気にする。個別賃金の取り組みは地方のデータを集めることが必要。連合が地方の賃金データを集めれば地方の相場ができ、個別賃金の取り組みが進む」と今後の展望を語った。