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    連帯の力で朝鮮半島非核化を/市民団体がシンポ/「参与連帯」が核抑止論を批判

     ピースボートが加盟する「3・1朝鮮独立運動100周年キャンペーン」と総がかり行動実行委員会は6月7日の集会に続き、8日には都内でシンポジウムを開いた。シンポには300人が参加した。

     総がかり行動実行委の福山真劫さんは、韓国と北朝鮮のトップによる昨年4月の板門店宣言以降、朝鮮半島非核化の大きな流れが生まれたことを評価。しかし、米朝ハノイ会談(今年2月)で成果がないまま「物別れ」になったことや、韓国での徴用工判決に対する日本政府の対応などが在日韓国・朝鮮人に対する差別とヘイトスピーチを助長していると批判し、「朝鮮半島の非核化と平和確立のためには参議院選挙で(安倍政権に)勝つことが必要だ」と訴えた。

     

    ●若い世代に期待

     

     韓国最大の市民団体である「参与連帯」のシン・ミジ平和軍縮センター専任幹事は、2017年には16回だった北朝鮮の核・ミサイル実験が18年にはゼロになったことに触れ「朝鮮半島の完全な非核化は周辺の全ての軍事戦略が消えてこそ達成可能。韓国や米国、日本が依存する核の傘戦略(抑止力)の廃棄も議題に含めなければならない」と指摘。「朝鮮半島の南北と日本が核兵器禁止条約を同時に批准し、周辺の保有国に批准を迫ることを提案したい」と述べた。

     立命館大学で日韓関係史を教える庵逧(あんざこ)由香教授は「いま、日韓で対立しているのは政府だけだ。両国の人の往来は11年の約500万人から18年には1千万人を超えている。10~20代の若い世代はK‐POP(韓国の音楽)や文化を通じてつながっている。日本の学生たちは歴史問題についても関心が高い。みなさんの運動を若い世代に伝え、ともに運動を進めていこう」と呼びかけた。

     

    〈写真〉韓国民主化運動のなかで歌われた「朝露」で始まったシンポジウム。日本と韓国の市民団体代表や専門家ら7人が発言した(6月8日、都内)