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    正常化を確認し、争議決着/UAゼンセンとクスリのアオキ/包括的な和解協定踏まえて

     北陸地方を拠点に事業を急拡大中のドラッグストア「クスリのアオキ」で、2年越しの労使紛争が決着した。UAゼンセンと同社は3月に東京都労働委員会で和解協定を締結した。良好な労使関係の構築、支配介入の防止、和解内容に関する周知文の1カ月間掲示のほか、裁判の和解も盛り込む包括的な内容だ。その後の労使関係の推移を見定めたうえで6月27日、労働組合側が申し立てを取り下げ、争議を収束させた。

     

    ●1カ月間の周知文掲示

     

     同社では17年、育児短時間勤務中の組合員の女性に対し「退職かパート従業員になるか」の選択を迫ったとして、女性が地位確認などを求めて提訴(マタハラ訴訟・2017年6月22日付け隔日版で既報)。組合が支援し、大きく報じられた。その後、新人事制度導入をめぐるスト権投票や、定期大会の代議員選出など各種組合運営に対する支配介入(不当労働行為)について、社内労組のクスリのアオキユニオンとUAゼンセンが都労委に救済を申し立てていた。

     都労委で3月、和解が成立した。協定内容はまず会社が「遺憾の意」を表明。労使間の問題を誠実な団体交渉によって解決を図ることや、労働条件を変更する際にはまず組合に伝え協議すること、交渉不調時のスト権確立、新人事制度移行への激変緩和措置などを確認した。

     さらに、大会代議員選挙に対する支配介入などを防ぐことなどを目指して「労使関係正常化推進委員会」を労使間で設置。和解協定の根幹部分に関する周知文を1カ月間、全店舗の休憩室、社内イントラネットに掲示し、全ての従業員が閲覧できるようにした。

     マタハラ訴訟についても「相当程度高い水準」(町田吉宏UAゼンセン副書記長)の解決金支払いを確認し、取り下げた。

     

    ●労働委員会だからこそ

     

     5月に開いた定期大会で、社長からのメッセージが代読された。大会と役員選出が正常に行われたことを確認し、6月27日に都労委で申し立ての取り下げを行った。既に労使協議会を開催し、社内に組合活動の拠点を設けるなどの便宜供与も確保した。

     UAゼンセンは争議開始から民主化対策委員会を設置し、全面支援してきた。町田副書記長は「このような包括的和解は、集団的労使関係の専門機関である労働委員会だからこそできたこと。労使関係正常化推進委員会の設置や、1カ月間にわたる(和解協定内容の)周知文の掲示の意義は大きい。これによって、労使のどちらの主張が正しかったのかということを従業員にきちんと分かってもらえる」と話している。

     

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    コメント: 1
    • #1

      元社員 (木曜日, 15 8月 2019 01:50)

      新執行部に前執行部から残ったのは一人。新執行部は上から下まで使用者側の意図した人間ばかりで傀儡組合と言わざるを得ない。
      出世に有利になると唆されて前執行部の活動の妨害をしてきた「実行役」の一部は約束を反故にされた上に居辛くなり退職。
      現状毎月10人近い店長が退職しており、経験も社歴も浅い社歴がロケット鉛筆の様に繰り上げ昇格している始末。
      退職者は当然店長だけではなく駒の補充とばかりに未経験者の50代でもあっさりと採用する様な状況。
      ストライキ権投票の妨害をせずに前執行部(労働者の代表)と真摯に向き合っていれば順調に伸び続ける会社であったろうに残念です。