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    3団体で1000万署名を/連合ナガサキ集会/ITUC会長が初めて参加

     連合は8月8日、長崎市内で「連合2019平和ナガサキ集会」を開催し、国際労働組合総連合(ITUC、2億700万人)のアユーバ・ワバ会長をはじめ、3400人が参加した。核兵器禁止条約への早急な批准を日本政府に求める「核兵器廃絶1000万署名」を、原水禁、KAKKIN(核兵器廃絶・平和建設国民会議)とともに全力で取り組むことを確認した。

     神津里季生会長は核兵器をめぐる近年の情勢について「平和から遠のいているという危惧を強めざるをえない」と指摘。「核兵器は持っていれば再び使われてしまう。広く世界に核兵器の恐ろしさを訴えていかなければならない。その輪をつなげ広げることこそが核兵器廃絶への唯一の道だ」と語った。

     核兵器禁止条約に否定的な首相発言については「極めて残念。米国の核抑止力の下にあるからというのが理由だろうが、唯一の戦争被爆国として条約に名を連ねることが当然あっていいのではないか」と述べた。

     ITUC会長の参加が初めて実現した。ナイジェリア出身のワバ会長は事前の会見で「昨年のITUC大会で核兵器禁止を課題目標とした。74年前に長崎、広島で何が起きたかを知るのは極めて重要。その悲惨さは聞いて知ってはいたが、その場に身を置き自分の目で見ることで心に迫る度合いがかなり違う」と訪日の理由と感想を話した。

     集会で同会長は「核兵器禁止条約は希望の光。私たちは各国が条約を批准し、核兵器廃絶に向けた強力な体制を構築するよう求める」と述べた。ITUCは署名に協力する。

     集会後には3団体主催でシンポジウムを開催。講演した吉田文彦長崎大学核兵器廃絶研究センター長は、核兵器禁止条約が遠からず発効すると指摘し、「日本は変化に備える必要がある。条約締約国会議へのオブザーバー参加を真剣に検討するべき」と述べた。

     

    〈写真〉ITUCのアユーバ・ワバ会長は「労働組合は核の恐怖に終止符を打ち、連帯をもとに行動を世界に求める」と語った(8月8日、長崎市)