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    賃金改善獲得率は上昇傾向/19春闘の連合まとめ/中小の賃上げ環境向上を

     連合は8月23日、2019春季生活闘争まとめを確認した。粘り強い交渉の結果、妥結組合のうち賃金改善を獲得した組合の比率(賃金改善獲得率)は上昇傾向にあると指摘。「サプライチェーン(製品の供給網)全体で生み出した付加価値の適正分配の実効性を高めることが必要」としている。6月の中央委員会で行った中間まとめを補強した。

     賃金改善を要求した組合数は5540組合で、前年より337組合減少。改善分を獲得した組合も100組合余り減少した。一部中小での業績の厳しさが反映したという。

     平均賃金の引き上げを要求した組合の回答額の加重平均(最終集計時の7月)は、前年同期比とほぼ同じ5997円(2・07%)。ベアなどの賃上げ分は1560円(0・56%)で同じく前年並みとなっている。

     評価をめぐっては、要求提出は若干減ったものの、ベアなど賃金改善獲得率が「引き続き上昇傾向にある」と指摘した。16闘争の27・4%が、19闘争では37・3%になっている。

     一方、6割強の組合が賃金改善を獲得できなかったことも指摘。消費増税分や、働き方改革実行計画によるコスト増分を取引価格に転嫁できるよう、「サプライチェーンで生み出した付加価値の適正配分」について実効性を高めるべきとした。

     百人未満の中小の回答が初回から昨年同期を上回るとともに、ベアなどの賃上げ分1661円(0・73%)は企業規模別の回答の中で最も高い結果となった。この点について、従来の「中小共闘方針」を全体の方針に統合し「中小組合の社会的横断的水準の確保に向けた取り組みを追求した成果」と評価している。