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    ウーバーイーツで組合結成/全国ユニオンと労働弁護団有志/事故時の補償など求める

     スマホのアプリを通じ料理の配達を代行する「ウーバーイーツ」の配達員らが10月3日、労働組合を結成した。個人事業主と扱われ、労働法の保護を受けない働き方の改善をめざし、運営会社「Uber Japan」に交渉を求める。全国ユニオンと、日本労働弁護団の弁護士有志らの協力で結成にこぎ着けた。

     結成大会には17人の配達員が出席。役員を選び、いざという時のためのストライキ権を確立した。

     要求項目は、事故時の補償、報酬に連動する配達距離の正確な計算、仕事ができなくなる「アカウント停止」の基準明確化、配達員に対する評価制度の説明、注文先住所の誤表記をなくすなどアプリの改善――など(表)。

     6月に最初の結成準備会を開いてから約3カ月半。配達員らが集まり、仕事上の不満や要求について話し合う様子を報道陣にも公開し、この働き方の問題を発信してきた。結成直前の9月30日、ウーバー社は事故に遭った配達員に見舞金を支払う「傷害補償制度」の導入を発表した。

     委員長に選出された前葉富雄さん(29)は「私たちがやってきたことがいい影響を及ぼした」と組合結成の手応えを語った。

     報道などによると、同社の補償制度は25万円が上限で、対象となる事故も配達作業の一部に限定され、労災補償と比べるとまだまだ不十分だという。ユニオンはより充実した補償を求めていく構えだ。

     労働組合法は、個人事業主でも組合結成が可能で、団体交渉権、スト権を保障する。プロ野球選手会や、コンビニ加盟店ユニオンもあり、労組法上の労働者性が認められている。

     ただ、米国資本の同社が個人事業主であることを理由に交渉に応じないという懸念もある。その点について川上資人弁護士は「現場で汗を流す配達員が、仕事上の問題と対策の共有を求めている。拒否する理由はない」「判例に照らせば、労組法上の労働者性が否定されることは皆無といっても過言ではない。よく考えた対応を」と語った。

     

    〈写真〉ウーバーイーツユニオン結成大会にはテレビカメラ数台と、多数の取材陣が詰めかけ、この問題に対する関心の高さが示された(10月3日、都内)