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    エネルギーの地産地消こそ/鈴廣副社長が講演/神奈川機関紙印刷所が企画

     神奈川県小田原市でかまぼこの製造・販売に携わる老舗「鈴廣」の鈴木悌介副社長が10月8日、横浜市で講演した。同社は原発ではなく、再生可能エネルギーを推進していることで知られる。講演では「持続可能な社会を目指す上で、エネルギーの地産地消が必要」と熱く訴えた。

     講演会は、来年60周年を迎える神奈川機関紙印刷所のプレ企画。会場には約100人が集まった。

     鈴木副社長は「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」代表理事。小田原箱根商工会議所の会頭でもある。

     講演のテーマは「なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか?」。2011年の東日本大震災を機に、原発ではなく、地域に根ざしたエネルギーの利活用が求められることを痛感したと指摘。企業として電気を東京電力から地元の湘南電力に切り替えるなどさまざまな実践を進めていることを紹介した。

     持続可能な地域経済をつくる上でエネルギーのありようを考えることが必要だとし、小田原市の例では年間300億円もの電気代が市外に流出している点を問題視。「その1割でもいいから地元に還流させれば、自治体はいろんなことができる。今こそみんなで知恵を出そう」と呼び掛けた。

     

    〈写真〉講演する鈴廣の鈴木副社長(10月8日、横浜市) 神奈川機関紙印刷所提供