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    20闘争も賃上げ2%基準で/UAゼンセンが方針素案

     製造、流通、サービス、食品関連の労組でつくるUAゼンセンは来春闘で前年と同様、定期昇給相当分とは別に、2%基準の賃上げ要求を検討している。11月7日、都内で方針素案を議論した。パート労働者については、制度昇給分を含め4%基準、一時金は最低2カ月を提起している。

     素案は、生産性向上に見合う実質賃金の引き上げを行うことが、デフレ脱却、格差是正、一層の生産性向上につながると指摘。実質生産性の伸び1%と物価上昇1%程度を踏まえ、2%基準とする。

     松浦昭彦会長は2020闘争について、マクロの経済指標では賃上げの根拠は明瞭だが、個別企業の事情では特に製造業で厳しさが増していると述べ、「だからこそ180万UAゼンセンがしっかり賃上げをし、内需を支えていかなければならない」と強調した。方針提起した木暮弘書記長も「過度に忖度(そんたく)する必要はない。水準を把握しながら労働条件の向上を整斉と要求することが労組の役割だ」と語った。

     企業内最賃協定については、地域別最賃の1割増しの水準や、消費者物価指数などに応じた下限設定を今後検討する。

     

    ●上げ幅は時給40円程度

     

     パート労働者の賃上げでは、賃上げ分を2%基準とし、制度昇給分が明確ではない場合、4%基準とする。組織内の平均賃金から換算すると、時給40円程度になる。

     一時金については最低2カ月の確保と制度化を前提に、不合理な格差がないような水準に設定するとしている。手当や福利厚生で正社員などとの均等・均衡を定めたパート・有期労働法の来春施行をにらみ、賃上げを含めてパート労働者らの一時金をいかに獲得するかが焦点だ。