「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    「真に実効性ある指針を」/日本労働弁護団が緊急集会

     パワハラ防止関連法施行を見据え、真に実効性ある指針を求めて、日本労働弁護団(徳住堅治会長)は11月12日、緊急集会を都内の連合会館で開いた。労組、市民団体、野党の国会議員ら約130人が参加し、厚生労働省が示した指針素案の抜本的な修正を求めた。

     指針は、パワハラの内容や事業主の講じるべき措置を示す行政文書。10月に示された素案には、「パワハラを助長しかねない」などの批判が噴出。11月初旬に予定していた労働政策審議会の分科会審議は異例の延期となった。20日に再開される予定だ。

     水野英樹幹事長は素案について「ハラスメントをなくそうという意欲が全く感じられない。(規制の)範囲をできるだけ狭くし、事業主が行うべき義務を少なくしようとしている」と述べ、抜本的な修正を求めていく姿勢を強調した。

     連合の井上久美枝総合政策推進局総合局長が素案の検討状況について「ボールは厚労省にある」と報告。使用者側が素案の内容通りの策定を主張しているのに対し、労働者側としては、パワハラ防止関連法の国会審議や付帯決議、昨年6月に採択されたILOハラスメント禁止条約(日本政府は賛成)などを踏まえた内容にするよう、「最後まで粘り強く訴えていく」と決意を表明した。

     集会では、職場の上司や顧客によるパワハラや、リストラに伴う嫌がらせに苦しんだ当事者らが発言。実効性ある指針を求めた。