「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    「減益でも労働条件改善を」/JEC連合中央委で酒向会長

     化学や石油、医薬関係などの労組でつくるJEC連合の中央委員会が1月16日、都内で開かれた。酒向(さこう)清会長は、減益となる企業が多いことに触れつつ「業績を冷静に見極めることが必要。単年度の業績に左右されず、人材への投資を訴えていこう」と呼び掛けた。

     同会長は関連企業の19年度業績について「おおむね減益の企業が多いと思う。20春闘で企業側は組合要求に厳しい姿勢で臨んでくるだろう」と指摘。労働組合としては「前年度より減益になるとしても、その水準はどうなのか。過去の利益水準に照らして業績が本当に悪いのか見極めが必要だ」と強調した。

     連合白書を引用する形で企業の現金預金残高や内部留保の増加ぶりを紹介し「企業側はよく無い袖は振れないというが、本当に振る袖がないのか、しっかり見極めてほしい」。

     その上で、減益を理由に組合自身が「(交渉の)ステージに立たないようなことがあってはならない」と述べ、社会性のある労働条件設定に向けて人材への投資を訴えていこうと呼び掛けた。

     

    ●「2%程度」を意識

     

     JEC連合は1月16日の中央委員会で20春闘方針を決定した。ベアは「2%程度」を意識した上で、35歳27万円などのポイント基準への到達を目指して要求を検討するよう求めている。定期昇給がない場合は、定昇相当分を含めて1万1千円を要求することとした。

     

    〈写真〉中央委では賃金の「底上げ」を重視する方針を決定した(1月16日、都内)