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    労働条件改善は経済にプラス/労働総研が20春闘で提言

     全労連と共同して労働問題の調査・研究を行っている労働運動総合研究所は1月20日、2020春闘への提言を発表した。不払い残業根絶などの働くルール確立や、非正規労働者の正規化、最低賃金1500円実現、月額2万5千円の賃上げによって国内総生産(GDP)が34・3兆円増加すると試算。労働条件の改善が日本経済に好影響を与えると主張している。

     試算によると、GDPへの波及効果は働くルール確立で約6・8兆円などとなっており、全体として税収や雇用の増加につながるという。

     それに要する財源は60・1兆円。財務省が「法人企業統計」で公表している全企業の内部留保額692・4兆円(2018年度)の8・7%であり、労働総研は「十分可能」と指摘している。「国民生活改善のために内部留保を活用することは待ったなしの課題であり、それは日本経済の安定的な成長にも資する」

     試算で設定した賃上げ額2万5千円は、全労連などが要求している額。労働総研によれば、12年の安倍政権発足前の生活水準まで回復するには、約2万6千円が必要と指摘している。