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    「時給千円以下をなくそう」/日本医労連の20春闘方針

     日本医労連は2020春闘で、月額4万円の大幅賃上げと併せ、「職場から千円以下の時給をなくす運動」に取り組んでいる。1月21、22の両日、都内で開いた中央委員会では、パート時給250円の引き上げや企業内最低賃金1500円実現などの要求を決めた。

     森田進書記長は、こうした底上げの要求額が過大に見えるかもしれないと述べつつ「東京、神奈川では地域別最低賃金が千円を超えている。医労連の企業内最賃平均は昨年、地域別最賃の全国加重平均(901円)を下回った。こうした状況を是正しなければならない」と訴えた。

     医労連の資料によれば、2009年当時の企業内最賃平均は948円で、地域別最賃の加重平均713円を235円上回っていた。10年後の19年は企業内最賃が888円に低下。地域別最賃に追い越されている。

     春闘方針はこのほか、(1)特定最賃新設に向けた取り組み(2)安全安心の医療・介護提供のための大幅増員と夜勤協定の締結・改善(3)憲法改悪反対(4)公的医療機関の再編・統合リストの撤回――などを求めている。

     

    ●病院再編リスト撤回を

     

     森田しのぶ委員長は中央委員会あいさつで、厚生労働省が提示した公的医療機関の再編・統合リスト(424病院)について「地域の実情も聞かず一方的に病床を削減しようというもので、地域社会の崩壊を招く」と批判した。政府が進める全世代型社会保障の方針に対しても「消費増税がセットであり、全世代の負担増になるのは明らかだ」と訴えた。

     

    〈写真〉あいさつする森田しのぶ委員長(1月21日、都内)