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    雇用不安いまだ解消されず/自治労連が非正規交流集会/会計年度職員への移行問題

     自治労連は2月1、2の両日、長野県上田市内で自治体や公共施設で働く非正規職員の集会を開き、約160人が参加した。大半の非正規職員を対象とする「会計年度任用職員」への移行が4月に迫っているが、労働条件の不利益変更が少なくない上、雇用不安も解消されていない。集会では、制度の趣旨を逸脱する行為を正し、施行後も継続課題として取り組むことを確認した。

     

    ●移行の不安から組合結成/宇治市

     

     「会計年度任用職員への移行で雇用継続や労働条件がどうなるのか不安に思い、組合結成を決意した」

    宇治市非常勤職員労組の委員長、大西ひとみさんはこう振り返った。

     きっかけは、宇治市職員労働組合が主催する制度移行の学習会だ。移行に不安を覚えた参加者らが声を掛け合い、女性5人で2018年12月に組合を結成。現在は約40人が加入する。

     所属する職場や業務はそれぞれ異なるが、契約更新への不安や低賃金といった共通の悩みを語り合い、賃上げや休暇の具体的な要求づくりにつなげた。会計年度任用職員については、法の趣旨に反する民間委託や労働条件の不利益変更を行わないこと、正規職員との均等待遇を軸にした賃金改善などを求めた。3回の交渉を経て、他の組合も要求していた経験加算を勝ち取ったという。

     大西さんは「言いたいことは山ほどあるのに、最初の交渉では言えなかった。賃金や労働条件を話し合って決められる。私たちも意見を言っていい。組合を作ったからこその成果だ」と力を込めた。

     

    ●くすぶる委託問題/島田市

     

     静岡県島田市は昨年3月、会計年度任用職員への移行による人件費増を理由に、約500人の非正規職員が担う業務を民間に包括委託しようとしたが、議会で否決された。しかし、窓口業務など一部の民間委託を9月議会で可決。対象は国民年金課などの個人情報を扱う窓口業務で、現在約60人の非正規職員が働く。組合は委託中止を求めている。

     報告した島田市職員労働組合副委員長の望月史彦さんは、「(自治体職員は)委託先の職員に指揮命令できず、委託先が破産して給与が払われなかったケースがある」と指摘し、包括委託に道を開かないよう問題を追及すると訴えた。

     

    ●正規の置き換えを警戒/中国地方の単組

     

     会計年度任用職員では、フルタイムへの退職金支給による処遇改善も注目されている。しかし、安易なフルタイムの配置を懸念する声も上がった。

     分科会で発言した中国地方の参加者は「当初、フルタイムの会計年度任用職員は配置しないと言っていたのに、正規職員の退職者不補充の職場などで置き換えが進んでいる」と危機感を募らせた。

     その上で、「国が自治体に求めているのは人件費の削減。正規職員は企画・立案のみになり、住民サービスは非正規になりかねない」と批判。学校給食や保育園で民間委託が進み、栄養士が不在ではアレルギー対応をできる状態ではないと問題視し、「公務の仕事をどうやって守るかを考えながら、正規職員が当たり前だという運動を住民と一緒につくらなければならない」と訴えた。