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    最賃レベルで「食えない」賃金/出版の取次会社で働く労働者

     東京地評と東京春闘共闘会議が2月9日、都内で最低賃金をテーマにした集会とシンポジウムを開いた。シンポでは出版労連に加盟する出版情報関連ユニオンの川邉隆副委員長が非正規労働者の実態を告発し、「食えない労働者の生活を守るためにも最賃運動の強化を」と訴えた。

     

    ●時給は最賃額

     

     川邉さんは「私自身、トリプルワークをしている。日曜日の今頃はマイナス20度の冷凍倉庫の中で働いている。家族と夕食を取れるのは2カ月に1度くらい。取次会社の時給は1013円で東京の最賃額だ。それだけでは生活できず、トリプルワークをするようになった」と話した。

     出版業界には、出版社から全国の書店などに本や雑誌を流通させる取次会社がある。川邉さんが働くある流通センターでは、約千人が勤務し、多くが非正規労働者だという。

     

    ●徒歩で片道2時間以上

     

     交通費が出ないため、職場まで片道2時間以上を歩いて通勤している人も複数いる。昼食は〃ワンコイン〃。「私たちの中では100円を指し、お金がなくて昼食を取れない人や弁当の盗難も起きている」

     組合の交渉で非正規でも年次有給休暇が取れるようになったが、有給を取って、別の仕事をしている人もいる。「『食えない』ほどの低賃金なのに、大リストラがあるかもしれないという不安を抱えて働いている」と語った。

     

    〈写真〉シンポジウムでは、自治体の非正規労働者の低い賃金実態なども報告された(2月9日、都内)