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    被爆者の声届かず/原爆症認定めぐる最高裁判決

     被爆者が自身の疾患は原爆が原因だと訴え、裁判で国と争っているノーモア・ヒバクシャ訴訟。2月25日、最高裁は原爆症の認定をめぐり、厳しい判断を示し被爆者の訴えを退けた。

     

    ●政治の場で救済を

     

     原爆症認定には放射線起因性と要医療性が求められるが、今回、最高裁に上告された3件の高裁判決は、要医療性について判断が分かれていた。

     裁判では「経過観察を要医療性と認めるか」が焦点だった。判決は経過観察について「当該疾病を治療するために必要不可欠な行為であり、かつ、積極的治療行為の一環と評価できる特別の事情がある」場合にだけ認められるという統一見解を示した。

     判決後、原告や弁護団による報告集会で、原告の内藤淑子さんは「(被爆者にとって)良い判決が出ると期待していた。心が折れそう」と話した。

     集会に駆けつけた国民民主党の森本真治参院議員は「最高裁の判決は非常に残念だ。原爆被爆者援護法の立法趣旨について再認識を求める。与野党に呼びかけ、国会の役割を果たしていく」と決意を表明した。共産党の本村伸子衆院議員も「最高裁が被爆者を救済しないのであれば、政治の場で救済しなければならない」と応じた。

     原告団などは判決に抗議するとともに「原爆症認定制度の抜本的見直しを政治の責任において行うことを求める」との声明を発表した。

     

    〈写真〉原告の内藤さん(中央)は「納得できない。生きていく限り頑張らなきゃいけないのか」と胸の内を語った(2月25日、最高裁前)