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    病気有給休暇創設へ法整備を/UAゼンセンが大臣要請/雇調金のさらなる緩和も

     パート労働者が約半数を占める、国内最大産別UAゼンセンは3月25日、新型コロナウイルス対策に関する要請書を西村康稔内閣特命大臣に手渡し、有給の病気休暇制度創設のための緊急の法整備を求めた。政府による賃金の完全補償や、雇用調整助成金のさらなる要件緩和も求めている。

     新型コロナに感染した人だけでなく、感染の疑いがある、濃厚接触者となる、家族の看護が必要になる――などの場合にも安心して休めるよう、2週間の病気有給休暇創設を要請した。その際の賃金は全額補償とし、費用は政府による補填(ほてん)とする。個人事業主として働く人にも同様の給付が必要とした。緊急の法整備を求める内容だ。

     労働者を休業させるなどして雇用を維持した企業に支給される雇用調整助成金についても、一層の緩和を提起した。

     緊急指定地域に指定されている北海道のように、全ての都道府県で売り上げ減少などの生産指標要件を「満たすもの」とみなして扱うよう要請。雇用保険に加入していない労働者や個人事業主、交代で短時間休業する場合も助成対象にするよう訴えた。

     助成率を賃金の8割相当とすることや、労働・社会保険料の免除、在宅での教育訓練への助成も可能とするよう求めている。

     感染の疑いがあっても収入の補償がなければ、労働者は出勤せざるを得ない。感染拡大の連鎖を断ち切るためには抜本的な対応が必要と指摘。労働者保護の弱い米国でさえ病気有給休暇を時限的に創設するなど、欧米諸国の新型コロナに関する雇用対策(表)を紹介し、善処を求めている。