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    正社員同様、全額休業補償を/なのはなユニオン/ディズニーキャストら訴え

     千葉県を中心に活動するなのはなユニオン(全国ユニオン加盟)は4月9日、新型コロナウイルス対応で休園しているディズニーランドなどの運営会社オリエンタルランドに対し、休業したキャストら非正規労働者の賃金全額補償を求めて要請を行った。要請は2回目。

     正社員は全額補償されているのに対して、テーマパークで働くキャストら準社員(非正規)は6割補償にとどまる。

     オリエンタルランドの四半期報告書(連結ベース)によると、2019年12月末の利益剰余金(内部留保)は7532億2700万円で、すぐに使える現預金は3291億7500万円もある。

     鴨桃代委員長は「キャストたちは千葉の最低賃金(時給923円)レベルの低賃金で働いている。利益のほんの一握りでも非正規労働者の休業補償に回してほしい」と訴えた。

     

    ●法律の趣旨に反する

     

     4月から雇用形態間の不合理な待遇格差を禁じる「パートタイム・有期雇用労働法」(中小企業は21年4月から)が施行された。

     オリエンタルランドは休園による自宅待機を、正社員と同様にキャストらにも命じている。なのはなユニオンは、命にかかわる新型コロナウイルス感染対策に関し、雇用形態によって格差を設ける客観的・合理的な理由はないと指摘。法律の趣旨からも休業補償は雇用形態にかかわらず均等に扱い、非正規労働者にも全額補償を訴えている。

     

    〈写真〉オリエンタルランド本社前で要請文を読み上げるなのはなユニオンの鴨委員長(右)。多数のテレビ局が取材していた(4月9日、千葉)