「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    まずは命を救え/新型コロナ緊急アクション/厚労省などと交渉

     新型コロナウイルス感染拡大によって仕事を失うなど生活困窮者の救済に取り組む団体が4月16日、国に生活者の窮状を訴えた。11年前に「年越し派遣村」を支えた反貧困ネットワークをはじめ、生活保護支援団体や労組、障害者、路上生活者、DV被害者支援など20団体でつくる「新型コロナ災害緊急アクション」が主催。既存の制度を使い、まずは命を救う緊急の対策を求めた。

     会合には、立憲民主、共産、社民の国会議員が駆けつけ「感染防止対策はスピードが命。政府は非常に遅い」と批判。この日、政府が1人一律10万円の給付に向け補正予算の組み替えに政策転換したことに触れ「野党の主張に近づいてきた。声を上げれば変えられる」などと激励した。

     厚生労働省との話し合いでは、生活保護の給付要件を緩和する通知を厚生労働省が4月7日に発したことについて、生活保護問題対策全国会議の田川英信事務局次長が「制度の周知を行うべき。韓国のソウルでは地下鉄やバスに生活保護の広告を掲げている」と改善を求めた。

     雇用・労働問題では、雇用調整助成金の支給上限額の引き上げや、失業給付の拡張適用などを要請したが、担当官は現行制度の説明に終始。主催者側でジャーナリストの竹信三恵子さんは「感染防止のためにやるべきことをしないと手遅れになる」と述べ、現場の声をくみ上げた政策展開を行うよう訴えた。

     

    〈写真〉新型コロナ感染防止で、生活困窮者支援団体や労組は現場の窮状を訴えた(4月15日、国会内)