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    目黒自交が事業一部再開へ/「解雇」めぐる争議は解決/背景には行政の関与も

     ロイヤルリムジングループのタクシー会社、目黒自動車交通の「解雇」をめぐる争議が4月27日に解決し、従業員の雇用を維持することになった。5月16日にはそれまでの休業から、事業の一部を再開することになっている。

     同社には主に自交総連加盟の労組と、連合東京加盟のKPU東京地連に所属する労組があり、雇用維持に向けて取り組みを進めていた。4月27日に結んだ合意書では(1)休業期間中は解雇せず雇用を維持する(2)休業中は休業手当を支払う(3)退職合意書にサインした従業員のうち希望者には合意撤回を認める――という内容。

     

    ●グループ全体も解決?

     

     争議解決に至った要因として両組合は、組合による交渉と併せて、事業の許認可権を持つ国土交通省や、労働基準監督署の関与を指摘している。経営側が退職合意書にサインを求めながら、後日職場復帰させると言っていたことに対して、監督署は「失業給付の不正受給に当たる」と是正指導したもようだ。

     目黒自交以外のグループ企業についてはロイヤルリムジン社長が、退職に合意した従業員について「呼び戻す」と口頭で説明しており、今後、希望者を目黒自交で引き受けることになる見通し。

     自交総連の組合員はほぼ全員が職場に残るものの、KPUの組合員は争議解決を機に大半が退職する意向だという。事業再開後の労働条件が定まらないことや、高齢者が多いことなどを理由に挙げている。