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    コロナ禍の今こそ引き上げを/春闘共闘が最賃署名提出/与野党議員に11万4千筆託す

     「コロナ禍だからこそ最低賃金引き上げを」

     2020年度の地域別最低賃金改定審議が始まるのを前に、こう訴える集会が6月4日、国会内であった。全労連や東京春闘共闘会議などが主催し、全国一律制の整備を求める11万4千筆の署名を与野党の国会議員に提出した。この日は第4次最賃デーとして全国各地で統一行動が展開された。

     今年度の最賃改定をめぐっては、安倍首相が3日、新型コロナ感染拡大の影響を受ける中小企業での雇用を優先するとして、前年までの「3%」にこだわらない姿勢を示した。全労連の小田川義和議長は「コロナ危機の今だからこそ、中小企業への支援策を行うことが最も大切だ」と指摘。第2次補正予算で雇用調整助成金の上限日額が1万5千円に引き上げられることに触れ「日額8330円では命を維持できないことが示された。最賃を暮らせる水準に底上げすることは感染対策そのものだ」と述べた。8330円は時給に直せば千円余りだ。

     集会には、自民党、立憲民主党、共産党の国会議員が参加。自民党の務台俊介衆院議員はコロナ禍で大都市一極集中の弊害が現れたと述べ、地域間の最賃格差の是正と、思い切った中小企業支援が必要と語った。

     全労連などは11日に院内集会を、28日にはオンラインでの「全国1000人決起集会」を開く予定。最賃改定に向けて世論の高揚を図りたい考えだ。

     

    〈写真〉自民党の務台俊介議員、立憲民主党の山川百合子衆院議員、桜井周衆院議員、共産党の宮本徹衆院議員が出席し、最賃引き上げを求めた(6月4日、都内)