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    グループ内36単組がベア獲得/JR連合の20春季闘争/「コロナの影響下では健闘」

     JR連合は6月9日、記者会見を開き、20春季闘争の結果について報告した。中小や関連の組合でつくるグループ労組(93単組)については、5月末時点で36単組がベースアップを獲得。前年同期比で16単組少ないものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で厳しい交渉を強いられる中、尾形泰二郎事務局長は「想像以上の健闘。会社も有能な人材をつなぎ留めたいとの思いでベア要求に応えたのだろう」と語っている。

     JR連合の主要単組では3月半ばのヤマ場に西労組と東海ユニオンがともにベア800円、四国労組が19年ぶりにベア(200円)を獲得している。

     その後にグループ労組の回答が続き、5月末時点で79単組が妥結。組合員平均で定昇込み4189円を確保した。ベアを獲得した36単組の平均ベアは884円(前年同期比184円プラス)となっている。

     

    ●来春闘は予断許さず

     

     20春季闘争でJR連合は(1)長期雇用を基本に継続した賃上げが不可欠(2)人材の確保・定着に向けた働き方の実現(3)グループ会社・協力会社の仲間が安心して働き続けられる環境の実現――の3本柱を掲げて交渉に臨んだ。とりわけ、近年はグループ労組の処遇改善に力を入れてきた。

     一方、新型コロナによる経営への影響は深刻で、尾形事務局長は「年末の一時金交渉や来春闘がどうなるかは予断を許さない」と指摘している。