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    配送業務で過半数組合回復/生協労連大会/苦境続く大学でも奮闘

     生協労連は9月17、18の両日、オンラインで定期大会を開いた。コロナ禍の下、需要増で長時間労働になった配送業務や、大学閉鎖で売り上げが激減した大学生協など、多様な実情が報告された。処遇改善や雇用確保に奮闘した発言が相次いだのが特徴だ。

     役員には柳恵美子委員長が再任、新しく真壁隆書記長が選任された。

     

    ●組織拡大にこだわり

     

     生協や関連職場での新型コロナの影響は甚大で、「ステイホーム」で需要が一気に増えた配送業務などは心身ともに過酷な長時間労働となった。

     そんな中、配送業務を担う委託会社の分会、生協関連一般東京・流通サービス静岡分会(関東地連)は、組織拡大にこだわり、4年ぶりに過半数労組を復活させたという。

     今春闘でコロナ手当1万円、賞与の1万円増額を勝ち取り、その成果を伝える中で5人が加入。8月には過半数労組に。森充司代議員は「過半数労組になったら会社の対応が変わった。エリアマネジャーから『組合と座談会をしたい』との申し入れがあった。今まで興味を示さなかった労働者からも『組合のことを知りたい』と問い合わせがきている」と話した。

     

    ●労働者を甘く見るな

     

     大学生協は大学閉鎖に伴い、購買、食堂、書籍などの多くが休業となり、そこで働く労働者は苦境に立たされている。

     秋田大学生協では、労組組合員のほとんどが非正規労働者で、「解雇」を回避させ休業補償の増額を勝ち取った。

     水面下では「有期雇用の職員の契約更新は9月末。その時点で2年未満の職員は契約終了」という動きが進んでいた。

     宮城由季代議員は「(契約終了されようとしている労働者も)いっしょに繁忙期を乗り切ってきた仲間だ。労働者を甘く見るんじゃないとの思いがあった」と話した。

     初めて理事会との協議会を実施し、何度も話し合いを重ねた。その結果、「解雇」回避に加えて、合意なく短縮させられた所定労働時間を元に戻すことで合意。休業協定書も結び、法定の6割から8割補償へと拡充させた。

     宮城さんは「東北地連や他の大学生協労組の方が自分の事として相談に乗ってくれた。だからここまで闘えた」と語った。

     休業補償の相談から分会を結成した組合もある。大学生協東京統一・非正規支部東京学芸大分会だ。橋本恵右代議員は「大学閉鎖に伴い、大学生協の店舗が休業。労働者から『休業補償が出ない』との相談があった。4人が加入し、大学生協に要求書を提出。休業補償を実現させた。その後も労組組合員は増えている。労働組合の存在をもっと知らせなければ」と訴えた。

     大会は、大学生協で働く全ての労働者の雇用と労働条件を守るために生協労連が一体となって取り組むことを確認した。

     

    〈写真〉オンライン大会であいさつする柳委員長(9月17日、オンライン)