「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    政労使会議で賃上げ議論を/神津連合会長が呼び掛け

     連合の神津里季生会長は10月2日、20年余りの間に賃金が低下し格差が拡大している現状の抜本的改革が必要だとして「政労使会議」の開催を呼び掛けた。加盟組織以外の全ての労働者への波及を広げるためにも社会対話(ソーシャルダイアログ)が必要と強調した。

     神津会長は「この20年余りの間に、(諸外国と比べ)大きく遅れを取った日本の賃金構造に抜本的な改革を図らなければならない。そのためには政(公)労使の認識合わせが不可欠だ」と指摘。2013年と14年に経済の好循環実現をテーマに開催されたが、それ以降はなく、議論が深められなかったことが「いわゆるアベノミクスを掛け声倒れに終わらせてしまったことの根本原因だ」と述べた。

     来春闘にも触れ「連合として月例賃金にこだわり、分配構造の転換につながる賃上げに取り組む重要性に変わりはない」と述べた。これを連合外にも成果を広げるには政労使の社会対話による認識の共有が不可欠とした。

     

    ●政労使で最賃アップを

     

     最低賃金についても同様の認識を示している。9月の定例会見では、中賃諮問前の安倍前首相の消極的発言が、「目安を示さず」という結論へミスリードしたとの認識を示し、時給千円でも年収200万円に満たず現行最賃はまだまだ不十分との見解を表明。「生産性が上がらなければ賃金を上げる原資を確保できないというのは事実だが、それでは『百年河清(かせい)を待つ』ということになりかねない。最賃を上げることで生産性を上げることになる。政労使で考え方を合わせ、しっかり上げていくように向かってほしい」と述べている。