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    原発処理水を海に捨てるな/市民団体が国会前で緊急行動

     原水爆禁止日本国民会議(原水禁)を中心とする「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」は10月27日、重大事故を起こした東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出に反対する緊急行動を国会前で行った。

     現在、高濃度汚染水を処理した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ処理水の海洋放出が政府内で検討されている。この日の行動には170人が駆け付けた。

     現在、処理水は保管するタンクに約123万トンたまっており、2022年秋には満杯になると東電は説明している。福島県内59市町村のうち41議会が海洋放出の方針決定に反対・慎重の意見書などを採択し、福島県議会でも「(復興の努力が)水泡に帰すようなことがあってはならない」との意見書を採択している。

     

    ●「私たちの問題だ」

     

     実行委員会の呼びかけ人である作家の鎌田慧さんは「先日、核兵器禁止条約の発効が確定した。原発は核兵器開発で余る濃縮ウランを商業利用しようと始まった。『汚染水』の海洋放出は世界的な環境破壊になる。海に守られている島国日本が海を汚染する、(福島県民だけではなく)私たちの問題だ。政府の無責任さを許さない。絶対反対だ」と訴えた。

     

    〈写真〉緊急行動には山崎誠衆院議員(立憲民主)、福島みずほ参院議員(社民)も駆け付けた(10月27日、国会前)