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    「学問の自由」を守れ/学者らが抗議行動/学術会議会員の任命拒否問題

     安全保障関連法に反対する学者の会と全国大学有志の会が11月3日、国会正門前で集会を開いた。日本学術会議が推薦した会員候補を菅首相が拒否したことへの抗議行動。800人が参加し「違憲違法の任命拒否を取り消し、6人を任命すべき」と訴えた。

     集会は、総がかり行動実行委などの抗議行動に続いて開かれた。

     映画人有志の会を代表して、映画監督でジャーナリストの綿井健陽(たけはる)さんが発言。「菅首相は学術会議人事のことになると『お答えを差し控える』というが、あなたには答えを控える権利はない。答える義務があるんだと迫っていこう」と強調。今後、科学技術研究費(科研費)助成に関わって研究者自身による自己検閲につながる恐れがあると指摘し、自由を守る闘いが必要だとアピールした。

     全国大学院生協議会議長で、一橋大学院生の梅垣緑さんは「菅首相は日本学術会議の構成で若者が少ないなどと言ったが、この20数年の間に若手研究者の環境を悪化させたのは政府・自民党だ。まずは自らの政策を反省してほしい。今回の任命拒否は専門性に対する政治の横やりであり、私たちの不安をかきたてるものだ」と憤った。

     学者の会の佐藤学学習院大学特任教授は「21人の菅内閣には15人もの右派・日本会議メンバーがいる。これでどうして多様性が大事などといえるのか」と皮肉った。

     

    〈写真〉「日本学術会議とともに闘おう」と訴える佐藤学さん(11月3日、国会正門前)