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    核兵器廃絶の新署名スタート/政府に禁止条約批准求める

     被爆者や俳優、元外務大臣、防衛大臣らが呼びかける「唯一の戦争被爆国 日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める」署名運動が始まった。10月29日、東京、広島、長崎で同時に集会を開き詳細を発表した。126人(同28日現在)が共同呼びかけ人に名を連ね、58人が集会にメッセージを寄せた。主催は原水爆禁止日本協議会(日本原水協)。

     

    ●力強い運動が必要

     

     共同呼びかけ人には田中直紀元防衛大臣、田中眞紀子元外務大臣、作家の瀬戸内寂聴さんなどが賛同している。(表)

     日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中煕巳代表委員は「(政府に条約批准を求める)この署名は日本の核政策、安全保障政策を変えるものだ。大きな壁と闘うことになる」と決意を表明した。

     非核の政府を求める会の野口邦和常任世話人は「日本政府は(禁止条約について)『核兵器廃絶というゴールは同じだがアプローチが違う』という。ゴールが同じなら、さまざまなアプローチと連帯すべきだ」と禁止条約に背を向ける政府の態度を批判した。

     核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲国際運営委員(ピースボート共同代表)は「(禁止条約を批准しないのは)世界が核兵器は違法だとうたうのに、日本政府は正当だと言うのと同じだ。政府には政策の根幹部分を変えてもらわなければいけない。力強い運動が必要だ」と語った。

     

    〈写真〉新しい署名を発表する野口邦和さん(中央左)と田中煕巳さん(10月29日、都内)