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    「学術会議敵視は戦争への道」/総がかり行動実行委など/東京・新宿で街頭演説会

     「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などは11月12日、東京のJR新宿駅前で、日本学術会議の推薦会員を菅首相が拒否したことの不当性を訴える街頭演説会を開いた。立憲民主党、日本共産党、社民党、沖縄の風の各国会議員も訴えた。

     「九条の会」世話人でジャーナリストの伊藤千尋さんは、学者がかつての戦争に協力したことへの反省を踏まえて日本学術会議が発足したことに触れ「任命を拒否された6人は、安倍前政権が目指した戦争する国づくりに反対を表明した人たちであり、その意味では学術会議会員として最もふさわしい人たちだ」と指摘。学問の自由を踏みにじる政治が、日本やドイツでその後、戦争に向かった歴史を繰り返してはならないと強調した。

     安保関連法に反対する学者の会呼びかけ人の小原隆治早稲田大学教授は、菅首相らが日本学術会議に対して「既得権」「特権」などと指摘していることを問題視。「憲法23条の学問の自由保障は特権ではなく、人権だ。特権や利権をいうなら、(政府の助成金事業を受託した)電通やパソナこそ特権ではないか」と訴えた。その上で「菅首相が6人の任命拒否の理由をどうしても答えないなら、政権を代えるしかない」とアピールした。

     

    〈写真〉野党議員も日本学術会議の任命拒否問題を厳しく批判した(11月12日、都内)