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    現場からは「不公平」の声/国家公務員の人事評価制度/政府は能力主義徹底の方向へ

     国家公務員に人事評価制度が導入されて11年。内閣人事局は「能力・実績主義のさらなる徹底」を目指して、制度の見直し作業を進めている。しかし、現場の職員からは「評価が不公平でモチベーションが低下」「上司の好き嫌いに左右される」など、公正な評価とはほど遠く、公務遂行にも支障が出ている現状が告発されている。

     国家公務員の人事評価制度は、職員が業務遂行の目標を設定した上で、上司が評価する仕組み。SABCDの5段階評価で、賃金や一時金(勤勉手当)に反映されている。評価結果については上司と面談する機会も設けられている。

     内閣人事局は7月、「人事評価の改善に向けた有識者検討会」(座長・守島基博学習院大学教授)を設置。7人のメンバーがほぼ月1回のペースで議論を続けている。能力・実績主義をさらに徹底する観点で、よりきめ細かい評価制度へ改善したい、という。

     

    ●上司にも余裕なし

     

     制度改善に当たっては、運用の実態を検証することが大前提だ。

     労働基準監督署や職業安定所(ハローワーク)の職員でつくる全労働省労働組合(全労働)はこのほど、人事評価制度について組合員にウェブアンケートを行い、結果をまとめた。

     それによると、81%が「現在の制度では公正・客観的な評価ができない」と回答している。

     自由記入欄(表)には、評価者である上司への不満や、制度自体の問題点が指摘されている。上司についても、十分な研修を受けておらず、評価や面談に時間を割く余裕さえないような状態がうかがえる。主な意見は(1)評価基準が不明確(2)評価は上司の好み次第(3)件数主義による弊害(4)恣意(しい)的な運用が横行(5)公務にふさわしいのか疑問――などである。